リカバリーの歩みを進める、ジュンです。
家に閉じこもって生活している=ひきこもりは、もしかしたら統合失調症を発症しているかもしれません。
なぜなら、統合失調症の気力の減退や自閉といった陰性症状、または幻覚や妄想といった陽性症状に当てはまる可能性があるからです。
もちろん、症状のどれかに当てはまるからといって、必ず統合失調症であるということではありません。
しかし、統合失調症という病気にもとづく症状として、家に閉じこもって生活する=ひきこもる可能性があるということを知ってほしいです。
今回は、ひきこもりの悩みと統合失調症とのかかわりを、統合失調症の陰性症状と陽性症状を踏まえ私の体験を通してお伝えします。
統合失調症とひきこもり
「ひきこもり」は、社会参加を避けて、6か月以上にわたり家庭にとどまり続ける状態をさす現象です。
原則的には統合失調症にもとづく症状によって生じているひきこもり状態は除かれます。
しかし、「ひきこもり」とされる人の中には、まだ統合失調症と診断されていない方が存在しているといわれています。
外に出たくない、他者と関わりたくない、気力がない、周囲が自分のうわさをしている、外に出ないように命令する声が聞こえる・・・。
さまざまな原因で社会的参加を避けているけれど、何とかしたい。
どうしたら自分が以前にように、外に出られるようになるのか分かりません。
そのどうにかしたい気持ちは、私も経験しているので、わかります。
しかし私の場合、ひきこもりにはならず、その一歩手前で入院しました。
私は統合失調症を発症していたのです。
現在、ひきこもりに悩まされてつらく苦しい思いをされているなら、その解決のための手段の一つとして精神科医の診断を受けるという選択肢を設けてください。
もちろん、家に閉じこもって生活しているすべての方が、統合失調症を発症しているわけではありません。
しかし、もし統合失調症を発症しているなら、早期に専門医による診断・治療を受けるべきです。
統合失調症は治療することで良くなる病気です。
陰性症状の意欲の減退と自閉
統合失調症の症状の一つに陰性症状があります。
陰性症状には主に意欲の減退や自閉があります。
自発的に何かをするといったやる気が出ない「意欲の減退」。
他者とのかかわりを避け、人のいるところに出たがらない「自閉」。
やる気が出なくてひきこもっている場合は、「意欲の減退」に当てはまる可能性があります。
人のいるところに出たくなくてひきこもっている場合は、「自閉」に当てはまる可能性があります。
陽性症状の幻覚と妄想
統合失調症の症状の一つに陽性症状があります。
陽性症状は、主に幻覚(幻聴や幻視など)や妄想です。
実際には存在しない人の声や物の音が聞こえたり、人や物が見えたりする「幻覚」。
実際には起きていないことを起きているように思ったり感じたりする「妄想」。
声や音が聞こえて、周囲が自分のうわさをしているように思う場合や外に出ないように命令する声が聞こえる場合は、「幻聴」に当てはまる可能性があります。
人や物が見えて、周囲が自分のうわさをしているように思う場合は、「幻視」に当てはまる可能性があります。
実際には周囲が自分のうわさをしていないのに、うわさをされているように思ったり感じたりする場合は、「妄想」に当てはまる可能性があります。
【統合失調症】ジュンの闘病
発症から2か月経った頃に、また幻聴と妄想の内容は変わりました。
外にいる全く知らないほとんどの人々が私のことを知っていて、私のことをうわさしているといった幻聴と妄想をいだくようになりました。
外にいると、皆が私の居場所をスマートフォンで連絡し合っているような気がしました。
外に出るのがとても嫌で、怖かったです。
また、入院の前夜には、「部屋から出るな」と命令される幻聴もありました。
私はその声に従うつもりでいましたが、翌日入院したため、ひきこもることにはなりませんでした。
【家に閉じこもって生活している=ひきこもりは統合失調症かもしれません】のまとめ
今回は、ひきこもりの悩みと統合失調症とのかかわりを、統合失調症の陰性症状と陽性症状を踏まえ私の体験を通してお伝えしました。
たとえ病気としての症状が現れていても、病気自体を知らなければ専門医による診断・治療を受けられません。
もちろん、家に閉じこもって生活している=ひきこもっているすべての方が、統合失調症であるとはかぎりません。
しかし私もなりそうであったように、家に閉じこもる=ひきこもるのは、統合失調症の症状にもとづくものかもしれません。
一人でも多くの方のつらく苦しい状態が、一日でも早くおさまってほしいです。
この記事を読んでくださったことをきっかけに、統合失調症を発症されている方が治療につながることを願っています。